そば打ちの加水率について
2023年8月2日
石臼挽きそば粉とロール挽きそば粉の加水率は違う
お客様から、
「ロール挽きそば粉と石臼挽きそば粉の加水率が違うのはなぜですか?」 と
問い合わせをいただきました。
当社のロール挽きそば粉は500g捏ねの場合、加水210g~220g (約42%)
石臼挽きそば粉は500g捏ねの場合 加水250g~260g (約50%) となっています。
石臼挽きそば粉の方が水が多く入ります。
石臼挽きそば粉でロール挽きそば粉の加水量でそば打ちをすると、
硬くて伸ばせない、生地にヒビが入ってしまう。麺が切れてしまう。など、
そば打ちの失敗につながってしまいます。
またロール挽きそば粉に、石臼挽きそば粉の加水量でそば打ちをすると、
柔らかすぎ、粘りが強すぎでうまく捏ねることができない。など、
こちらも、そば打ちの失敗につながってしまいます。
適切の加水量でそば打ちをするのが、成功のポイントです。
粉により加水量が違う理由は?
明確な理由は不明で、私も研究中ですが、
これはそば粉の粒子の大きさの違いより、加水量が違ってくるように感じています。
ロール挽きそば粉は100メッシュのふるいを使っています。
100メッシュというのは 1インチ(2.54mm)に100本の目があるサイズです。
粉の大きさは 140ミクロンになります。
一方 石臼挽きそば粉は50メッシュのふるいを使っています。
50メッシュというのは 1インチ(2.54mm)に50本の目があるサイズです。
粉の大きさは 279ミクロンになります。
石臼挽きそば粉の粒子の方が倍近く大きいです。
大きいほうが、水分を粒の中に、吸水し、保持しやすいので、加水が多くなるのかもしません。
また
製粉の違いによる断面の違いもあります。
ロール挽きが刃物のように切って細かくしていきますが、
石臼挽きは引きちぎるように粉を細かくしていきます。
顕微鏡で見ると、ロール挽きの方が滑らかに、石臼挽きの方が断面が毛羽立っています。
石臼の方が断面積が多くなりますので、
粒子に水が付着していくのかもしれません。
また
ロール挽きそば粉の方が100メッシュの大きさに揃っているのに対し
石臼挽きそば粉の方は大きい粒子から細かい粒子まで
広く分布しています。
粒子の大きさが不揃いなものはつながりにくいので、
接着剤の役目の水が多く必要なのかもしれません。
以上が私の見解ですが、
間違いなどもあるかと思います。
ご一笑ください。