2018年秋そばの国内産収穫状況[大西製粉]
2018年11月12日
国内産の秋そばの状況は?
こんにちは蔵の粉屋大西製粉の大西響です。
国内産の秋そばの収穫は9月北海道から始まり、
10月東北、長野、栃木、11月北関東、茨木、福井と南下していきます。
確定値が出るのは年明けになりますが、
現在の収穫状況をお伝えします。
■北海道産そば
5月雪解けの遅れによる種まきの遅れ、6月中旬から7月末までの長雨、
日照不足による生育不良、7月後半の高温による受粉不良、
9月上旬、収穫期に起こった地震による計画停電のため、乾燥施設の稼働停止、
JRの運行ストップなどが起こりました。
北海道産の収量は前年の半分以下という非常に厳しい状況と言われています。
価格も昨年の倍に高値安定しています。
約1万トン
■東北、福井、茨城、北関東
台風21号、24号の影響で水田での栽培が不可、または発育不良の場所が多いため、
地域によっては減収となりそうです。
各県約1千トン
■長野県
台風の影響により虫や昆虫の活動が制限され、
受粉不良が起こっている場所があります。
台風の影響による倒伏はほとんどない状況で、
畑当たりの収量を意味する反収は60kgぐらいと予想されます。
作付面積が拡大傾向ですので、前年の数量は越えそうです。
約2千トン
■自社農園
2017年開園した大西製粉の自社農園は、
小諸市内で10ヘクタールの耕作放棄地を開墾し、
約10tの収量を確保できました。
外国産そばの状況は?
■中国産
米中貿易戦争のため中国自国消費の品目に補助金がかけられているため、
小麦、大豆、とうもろこしなどに作付が多くなり、
そば栽培は半分くらいになりそうです。
今のところ価格の上昇はなく、立ち食いそば屋さんなどへの影響は少ないです。
約7万トン
■アメリカ産
2018年産は順調に成育中
約5万トン
■ロシア産
世界1位の蕎麦大国です。昨年から多く日本に輸入されています。
日本が今までに扱ってきた品種とかなり違うので、注意が必要です。
■モンゴル産
3年前から国策で蕎麦作りを推進しています。
日本から種(キタワセ種)を持って行っているので、非常に品質も良いです。
干ばつや霜の影響、輸送の問題で、まだ多くは日本には入ってきていません。
中国、ロシア、モンゴルは新そばという概念があまりないので、
混ぜ物に注意が必要です。
豊作の年は出荷を押え、市場在庫が少なくなってきてから売っています。
蕎麦業界の私たちはちょっとびっくりしますが、
他の穀物では普通の事のようです。
全体的に見ると
2018年産は国内産は昨年の半分、外国産は例年通り、
国内産の価格は高騰しています。
年末の商品まではこのままで、
年明けから価格を改訂する会社さんが多くなりそうですね。
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